GOLDWIN, THEN AND NOW | Goldwinのこれまでとこれから
1950年、富山県小矢部市で創業したスポーツメーカー・株式会社ゴールドウイン。オリジナルブランドの「ゴールドウイン(Goldwin)」は、ブランドの原点であるスキーウェアに加え、日常のファッションに向けた、ライフスタイルコレクションも展開する。確かな技術に裏付けされた、洗練されたプロダクトが誕生するまでと、これからの「ゴールドウイン」を追う。
1950年の創業以来、日本のスポーツシーンを牽引し続けてきた、ゴールドウイン社。社名と同じオリジナルブランドである「ゴールドウイン」と聞けば、多くの人がスキーウェアを思い浮かべるだろう。1960年代、同社が得意としていたニット技術で、機能性とデザインを追求したスキーセーター作りを始め、その後、海外メーカーとの技術提携により、機能的かつ洗練された美しいウェア作りのノウハウを積み重ねてきた。
そんな同ブランドは、2016-17年秋冬シーズンからは新たなブランド表現としてライフスタイルコレクションをスタートし、2018年春夏シーズンからは、今まで使用してきたブランドロゴも一新。「これまで、会社の歴史の中で、「ゴールドウイン」はスキーウェアを軸にさまざまなカテゴリーのスポーツギアを作ってきました。ただ、市場環境や、潜在的ニーズは、時代とともに変わっていきます。カスタマーの心に残るきっかけ作りや絆を育むことを考えた時、将来へと続くブランドの価値を築き上げていくための重要な要素として、ブランドロゴを一新し、歴史的なものにとらわれるのではなく、新しいフィールドでチャレンジして可能性を広げていきたいという考えに至りました」と、「ゴールドウイン」のブランドディレクターの新井元氏は語る。
生まれ変わった曲線が織りなすロゴは、3つの要素から成り立つ。その3つの意味は、“自然とのつながり”を表現した山の稜線、スキーがターンをする時に描く“シュプールライン”、そして、スポーツの躍動感を表す“ダイナミズム”だ。これまでの強いイメージだけではなく、繊細さや、ブランドの向かっていく方向性をロゴに込めた。スポーツの醍醐味やダイナミックさ、自然や遊びのメッセージを複合させながらプロダクトを作っていく……それぞれのライフスタイルに密着し、入り込んでいくものになってほしいという願いから生まれた。
新たに誕生したライフスタイルコレクションには、「ゴールドウイン」のベースとなるスキーウェアの機能性や、シュプールラインをモチーフにした美しい曲線をデザインに落とし込んでいる。暮らしの中の道具として長く着られるようシンプルな見栄えにこだわりながら、面白みのないデザイン、プロダクトにならないよう、機能美を崩さずにファッションとしても成立するようなエッセンスを加えている。「接着の技術、実用性を考えた設計、GORE-TEX®などの高機能素材をいかにファッションと複合してカタチにしていくのか。あえてロゴは目立たせず、さりげなく馴染むような雰囲気にしています。飽きずに着られるような、シンプルで洗練されたデザインにもこだわっています」と、新井氏は話す。例えば、2018-19年秋冬シーズンのライフスタイルコレクションの象徴的アイテムであるHOODED SPUR GORE-TEX® DOWN COATは、コットンライクな表面感のGORE-TEX®を用いた、ソリッドなデザインが印象的。腰に配したフラップ付きポケットマップは、持ち物をざくっと入れられるほど大きくデザインされ、ブランドのアイデンティティでもあるシュプールラインを描いた曲線が美しい。フラップ部分には金属ドットボタンとマグネットボタンを使っているので、遊び心があってユニークながらも使い勝手が良い。中に付いたダウンは、内側に施したバッフルを立体的な接着仕様にすることで、なめらかで着心地が良くなっている。また、封入されるダウンも遠赤外線保温機能を持ち、優しいあたたかさが続く。寒い時にさっと羽織れて、カジュアルにもフォーマルにも着こなせる、ブランドを代表する自慢のこの1着は、日本国内(富山)で生産されている。
ブランドのシグネチャーでもあるスキーウェアは、スキー独自の姿勢や動作に、しなやかに追従する立体的な設計はもちろん、防風性や柔軟性といったスキーならではの環境耐性や合理性を追求し、デザインされている。GORE-TEX®などの高機能素材や、止水ファスナーなども積極的に採用。ライフスタイルコレクションのアイテムと同様、無駄のないデザインとすっきりとしたシルエットで、長く愛用できる。スキーウェアということを忘れてしまいそうなくらい洗練されたプロダクトだ。
ゴールドウイン社の創業の地である富山県小矢部市には、2017年に開設されたゴールドウイン社の研究開発施設「GOLDWIN TECH LAB(ゴールドウイン テック・ラボ)」があり、日々、技術開発が行われ、日本発祥のブランドとしてのクオリティが生み出されている。併設する生産ラインでは、特に高度な技術を必要とする量産品の生産が行われており、HOODED SPUR GORE-TEX® DOWN COATも、そこですべての工程を経て生産され、世に送り出されている。工場内では、GORE-TEX®のタグの縫製、「ゴールドウイン」のロゴ刺繍、シュプールラインまわりの縫製など、どれも丁寧に作業される。「メイド・イン・ジャパンにこだわるというよりは、日本で生まれたブランドとしての歴史や起源、そこから生まれるクオリティを大切にするのが一番なので、それをお客様に伝えるという意味で“メイド・イン・ジャパン”として言えたらと考えています」と新井氏は話す。「ゴールドウイン」のプロダクトが製作される過程の中で、消費者により良いものを届けたい……そういった願いから、最先端のテクノロジーを駆使して研究し、最高のプロダクトを作り続けているのだ。
ライフスタイルコレクションでは、ブランドのシグネチャーでもあるHOODED SPUR GORE-TEX® DOWN COATの他にも、超軽量のダウンコート、ハンティングコート、ダウンモッズコート、N-3B ダウンパーカーなど、定番のアイテムを「ゴールドウイン」らしく調理し、機能性とデザイン性にこだわったプロダクトが揃う。カラーも落ち着いたブラックやブラウン、モスグリーン、ネイビーブルーなど、ベーシックでさまざまなスタイリングに合うものばかりだ。全てのプロダクトにおいて、着用した時のシルエットの美しさや着心地の良さも、「ゴールドウイン」がこだわるポイントになっている。
「ゴールドウイン」は今後、ブランドとしてどのように成長していきたいのか。「今日のメンズファッション界においては、ファッションとスポーツの境目がなくなっており、たくさんある商品の中から自分のスタイリングに合うものを、厳しい目でお客様が選ぶ時代です。そういった市場環境の中で、機能性の高いスポーツウェアをどのように日常に落とし込んでいき、お客様にとって選ぶ価値のあるブランドになれるか、日々考えています。今後は、一つのブランドの世界観を総合的なものにしつつ、オールマイティに使えるものをファッションとスポーツの分野から発信するということを3~5年以内にやりたい。『ゴールドウイン』はファッションブランドではなくスポーツブランドなので、だからこそ、本当の意味でのライフスタイルウェア、ライフスタイルギアをお客様に提供できると思います」と新井氏は話す。
「“今の自分”をとことん楽しむ道具」をコンセプトに、スキーのある暮らしから生まれたスキーウェアとライフスタイルウェア。目まぐるしい現代だからこそ、自分の人生をシンプルに楽しむ。自分らしいスタイルを選ぶのは消費者であり、「ゴールドウイン」は私たちにプレミアムな生活を送るための快適なプロダクトを提案してくれるのだ。ゴールドウインの公式サイト及びアイテムの購入はこちら。
そんな新たな挑戦を続ける「ゴールドウイン」は、丸の内二重橋ビルの商業ゾーン「二重橋スクエア」に、『Goldwin Marunouchi』を2018年11月8日(木)にオープンする。同ストアでは、人とスポーツと生活がコミュニケーションできる場を創造。都市と自然をフラットに楽しむ情報やスタイルを発信する、新しいメディアのような存在を目指し、人生を豊かにさせる価値のある刺激を人々に与えていくという。
ゴールドウイン 丸の内(Goldwin Marunouchi)
住所/東京都千代田区丸の内3-2-3 二重橋スクエア1F
営業時間/11:00〜20:00
定休日/元旦、及びビルの休館日
Tel./03-6268-0037(オープン日より開通)
公式Instagram/https://www.instagram.com/goldwin_marunouchi/
ゴールドウイン(Goldwin)
公式サイト/http://www.goldwin.co.jp/goldwin/
公式Instagram/https://www.instagram.com/goldwin_jp/(日本)
https://www.instagram.com/goldwin_official/(グローバル)
- Photography: Seiichi Niitsuma @ Y'S C
- Text & Edit: kurumi Fukutsu