LOEWE 2019秋冬コレクション
ジョナサン アンダーソン(J.W. Anderson)は、パリでコレクションを自身のブランドで発表するのみならず、クリエイティブ・ディレクターを務めるLOEWE(ロエベ)では、過去数シーズンでのイベントやインスタレーションを経て、ついにコレクションを披露した。
パリファッションウィークの熱は高まり、デザイナーはデジタル世代に向けたコレクションの発表に直面している。今回のLOEWEは、ドイツ人アーティスト、フランツエアハルド・ヴァルター(Franz Erhard Walther)が製作した黄土色のコットン地の彫刻が目を引いた。このユニークな作品をより深みのあるものに感じさせた。
ハンス・ウルリッヒ・オブリスト(Hans Ulrich Olbrist)によるインタビューで「あなた次第で、作品のもつ意味が変化する。手に取ると、花瓶や台座として捉えられるが、置いてしまうと、元の彫刻へと戻ってしまう。」とヴァルターは説明する。
アンダーソンのプロポーションの遊びやマスキュリンの表現、素材は、アートとファッションの関連性を明確にしている。デザインのコンセプトなのか、それとも作品が見せる職人技と関係しているのだろうか。
アンダーソンらしい主張する生地と伝統的なメンズウェアの2面性が表れたコレクションは、スーパーロングスリーブが揺れるドレスシャツや、ダスティーピンクや千鳥格子柄の2つボタンのタキシードが、サテンのラペルとのコントラストを生んでいた。
アンダーソンの才たるは、ランウェイピースをベーシックアイテムへ応用すること。LOEWEのマークが胸についたバブルガムピンクのタートルネックや、パウダーブルーとホワイトのカラーブロックシャツ、マリリン・モンロー(Marilyn Monroe)がプリントされたサテン生地のシャツなどはベーシックで着やすいアイテムである。その他にも、ファッションエリートが好きな上級者向けのアイテムが揃っている。
- Words by: Jian DeLeon
世界を股にかける天才敏腕エディター
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