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Where the runway meets the street

Instagramで人気のモデル「シュウドゥ(Shudu)」は、最も美しいモデルとしての呼び声も高い。登場してからまだ日は浅いが、実は彼女が本物の人間ではなく、カメラマンの「ジェームズ・ウィルソン(Cameron James-Wilson)」のプロジェクトのもと、デジタル加工で「作られた」架空のモデルだったということが物議をかもしている。

2018年の今、ファッションそしてテクノロジーの領域の非常に強く、急速に融合が進んでいる。2018年春夏コレクションの期間中、「ドルチェ&ガッバーナ(Dolce & Gabbana)」はハンドバッグ自体を(ドローンで)モデルにし、仮想のインフルエンサー「リル・ミケーラ(Lil ‘Miquela)」が最新のGIF技術を通じ、来場者に語りかけた。こんな時代には、シュウドゥのような完全にデジタルなモデルの登場することは大して驚くような話ではない。それでもやはり珍しいことではある。

では、彼女はどこからやって来たのか——そして、私たちは彼女に対し何を思うか。シュウドゥを生み出したクリエイターのキャメロンに聞いた。キャメロンはコンピューターからシュウドゥの細部に至るまでの全てのイメージを作っている。イメージの構想は別として、1つの画像の作成に約3日かかるという。

「私はかなり多くの人々に触発されている」とキャメロンは話す。しかしながら、キャメロンにとって一番のインスピレーションの源はバービー人形の「南アフリカのプリンセスバージョン」だ。実在する「ルピタ・ニョンゴ(Lupita Nyong’o)」、「ダッキー・ソット(Duckie Thot)」、「ニコール・ポール(Nykhor Paul)」のような女性からインスピレーションが引き起こされていることも確かだ。結局は、美しさがどう成長するかの議論は、モデルの「アレック・ウェック(Alek Wek)」に帰結する。

シュウドゥのインスタアカウントは、最初の数枚で多くの注目の的となった。シュドゥの美しさに喝采を送るものもいた。DMを送って撮影のアポを取ろうとしたフォトグラファーもいたという。それらは、キャメロンの手から生み出された3Dモデリングが、細部まで非常にレベルの高い仕上がりだということを裏付けている。

美の研究においては、「奇妙な谷間」とされる考え方がある。これは、オブジェクトが人間に見える時(マネキン、人形、AI搭載ロボットのソフィアなど)にはある種の不気味な感情を持つが、シュウドゥのケース(画像上の姿)だと、人間に見える状態なので、ほとんどの人は彼女がCGIとは思うまい。

「リアーナ(Rhianna)」のコスメブランド「フェンティ ビューティ(Fenty Beauty)」のルージュを付けた姿を、同アカウントがリポストすると爆発的な人気となった。インスタへのライクとエンゲージメントは、だいたい5万が平均的なのに対し、その約4倍に相当する22万2000という数。当時は、シュウドゥが本物の人間かどうかは明らかにされていなかった。だから、「シュウドゥ」のインスタには多くのコメントが繰り返された。「一体、誰なんだ?」と。

リアーナとの共同声明が発表された後に、キャメロンはシュウドゥが自分が手掛けたアートプロジェクトであることを明かした。

もちろん、SNSへの投稿は、これに対する批判もあった。それでもキャメロンは自分の仕事に対する幅広い意見を歓迎している。ユーザーの一部は、フォトグラファーによって白人女性(または男性)のイメージが空間の多くを占めていることを浮き彫りにしたと考えている。

「私のこのプロジェクトに最も批判的だったコメントは、予想外に白人女性からのものだった。肌の黒い女の子と他の女性たちからは私のやっているアートをとても愛しているとメッセージをくれたんだ」とキャメロンは語る。「これこそが私にインタビューする理由だと思う。つまり、人々の背景に何があるのか、を示すということ。これは、誰かしらを拝外するのでなく、もっと包括的な流れに移行しようとする“美の基準”に何かを加えていくことだ」

シュウドゥのインスタアカウントの存在が他のモデルたちを活躍の場から追いやる可能性はあるのか?—— これに対しキャメロンは「私はシュウドゥをお金稼ぎの道具とは考えていない」と言い切る。お金目的でシュウドゥのプロジェクトを始めたわけでないから、お金が問題になることはないという。キャメロン自身が自分を表現するためにシュウドゥを生み出したのだ。

また一方で、キャメロンはシュウドゥの制作にあたって使えるソフトがなかったことから、自分のイメージ通りの「誰か」を創造することが難しいことを知った。「多くの業界と同じように、3Dでの表現は民族多様性に乏しく、黒人キャラクターなんて特に珍しい」そうだ。「この現状を変えようという動きと、テクノロジーや3Dの進歩によって、変化が期待できる。シュウドゥは自分なりのやり方でそこに貢献している1つの手段だ。それは意図していなかったことだけど、今はゲーム開発者や3Dデザイナーが多様なキャラクターを作るために必要なリソースを作ることにとても関心がある」。

このシグナルはIRLヒューマンモデルを「完璧な」CGIに置き換えることに移行しているということなのだろうか。シュウドゥのような人物イメージを作っても、全ての服が3Dで正確にレンタルされる必要があることをお忘れなく。だから、IRLヒューマンモデルを「完璧な」CGIに置き換えるようなことは起こらないだろう。キャメロンは「シュウドゥやバーチャル人物が現実を飛び越えることはない」と話す。「その仕事は非常にハードだ。シュウドゥを通して分かったことで、その唯一の理由になるけど、僕は写真、ヘアセット、メイクアップの知識を持っているからね」。

大手ファッションブランドがシュウドゥのような「人物」を広告キャンペーンに巻き込もうと決めない限りは、シュウドゥのようなデジタルモデルはソーシャルにおいて大きな影響力を持つものの、しっかりと「アート」として残るだろう。

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